屑男のエロスクラップ

＜評価＞　内容：☆☆☆★★　　作画：☆☆☆☆★　　抜き：☆☆☆☆★

「背徳感」に重要な「脱がし」のシーンを省くという
最大の過ちを犯していたものの、成熟した女体の美しさにやられた


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＜スタッフ＞

レーベル：バニラ
原作：Anim
プロデューサー：枇杷島しゆう太／二木力
アニメーションプロデューサー：康芳朗
脚本：小林秀朗
監督／絵コンテ／演出／アニメーションキャラクターデザイン／作画監督：中曽根学
美術監督・せいほう堂
色彩設計：黒猫
アニメーション制作：Y.O.U.C
製作：デジタルワークス


＜あらすじ＞

隣のご主人が持ちかけた妻に内緒の夫婦交換!?

我原浩一は結婚して五年になる妻・香菜子と娘・菜生と三人で仲睦まじく暮らしている。
家族仲も夫婦仲も良好で、仕事も順調、幸せな生活…その平凡な毎日にどこか物足りなさを感じていた。
浩一は家族ぐるみで付き合いのある近所の住人、岡野公彦から、ある相談を持ちかけられる。

「浩一君、浮気してみませんか？」

公彦が浩一に持ちかけたのは、浩一の妻・香菜子と公彦の妻・幸恵の交換だった。
交換といってもお互いの妻には秘密にしたまま、妻たちを誘惑して浮気させてやるのだ。
初めは真面目に取り合わなかった浩一だが、公彦に熱心に説得されるうちにその甘美な誘惑に負けてしまう。笑顔で嘘の用事に出かける妻の姿。
知り合いの旦那とまぐわってる妻の姿。肉欲覚めやらぬまま食事を用意する妻の姿。
浩一の脳裏に愛する妻に裏切られる自分の姿が思い浮かび…
その姿が平凡で幸せでこの上もなく退屈な毎日を吹き飛ばす劇薬じみた劣情を滾らせる。



＜感想＞

倦怠期を迎えたある二組の若い夫婦。
夫らは互いの妻を寝取りあう約束をし、実行に移す。
寝取る側はもちろんの事、寝取られる側も自分の妻が
久しぶりの男によがり狂う姿を暗がりから眺め、昏い興奮を覚えるのだった……
という話。ＰＣエロゲー原作のアニメ化です。


■ 成熟した女性の肉体描写が素晴らしい

この作品、なんと言っても絵柄が好み。
80年代アニメを思わせるような曲線を生かした柔らかい顔立ち、
その童顔ともいえる表情とアンバランスな成熟した肉体。
特にその巨大な胸の存在感が素晴らしい。
多少大きすぎるとも取れるおっぱいですが、
アニメでありがちな不自然なメロン型ではなく、
重力に負け若干だらしなく垂れ気味のフォルム。
濃厚で強烈な大人の色気を感じさせる、
上品さと下品さ、両方を兼ね備えた見事なバストは、見ていて惚れ惚れします。

いやぁ、この手の熟成した肉体って好みなんですよねぇ。
これだけで☆一つ分アップです。

作画もまぁ安定している部類。
惜しむらくは、バニラなので色使いに深みがない点。
もう少し立体感のある影指定や色指定が欲しかったかなと。


この作品の肝は、
夫がいる身で不貞を働いてしまう妻達の「背徳感」をいかに描くか、
理性が感情に敗北する過程をどう描くか、
この点にかかっていると思います。
駄目だと理性では分かってはいるものの、女の部分が男を欲してしまう……
罪の意識に苛まれつつも、それでも快楽を欲して自ら腰を動かしてしまう……
そういった点が魅力的に描かれていさえすれば、
もうこの作品は成功だと言っても過言ではありません。

果たして、きちんと描かれていたか……。
結論から言えば半分は成功、半分は失敗。
50点の出来でした。


■ プレイ内容が作品のテーマに合致

成功していた点は、プレイ内容。
愛撫やキスはもちろん、言葉で責め立てられたり、
時には強引なイラマチオなども交えつつ、
愛液の付いた指を舐めさせられたり、
挿入したまま焦らされ自ら腰を動かすよう仕向けられたり、
或いは夫との電話中でもひたすら後ろから突かれ、喘ぎ声を押し殺しつつ、
平静を取り繕って応対したり……といった具合に
全てのプレイが「背徳感」を煽るするようなものばかり。

そういったプレイの果てに、精神的にも肉体的にも追いつめられ、
道徳観が、夫への貞操観念が次第に失われていく過程が伝わってきて結構興奮しました。
正直、アングルや演出に関してはさほど見るべき点はないのですが、
完熟した女体デザインの美しさや迫力が、
数年来夫婦生活がなく、男性の温もりを忘れかけていたという設定と相まって
平凡な演出を補って余りある役割を果たしています。
ビジュアルの力って凄いなと改めて再認識しました。


■ 「背徳感」には重要な、「脱がし」のシーンがばっさり省略

失敗していたのは、シーンの繋ぎ。
端的に言えば、脱がしのシーンを別のインサートカットでばっさり省いてしまっていた事。
前シーンで服を着たまま胸もみ、ヴァギナ愛撫、キスなど前戯をしっかり見せ、
さぁいざ脱がせて……といった所で場面転換。
寝取られる側の夫が、陰からそれを見守り歯噛みするシーンに移り変わり、
カメラが寝室に戻ると、もう二人は裸。いきなり挿入シーンになっている……という感じ。
どのように女性が裸になったのか全く分かりません。
脱がしなど、エロシーンの中ではさほど重要なものではないと思われがちですが、
「背徳感」がテーマの作品にとって、これほど重要なシーンはありません。
服を脱いで相手に裸を見せるという行為は、いわば自分の全てを相手に曝け出す行為。
ある意味、この作品の肝である「背徳感」が最高潮に達するシーンなのです。
一体どう脱がされたのか、男にひん剥かれたのか、自ら脱いだのか。
そこにどんな感情の動きがあったのか。
夫の友人に自分の裸を見せる屈辱感か、これから久しぶりに男に抱かれる期待感か。
「背徳感」を描く上で一番美味しい「脱がし」のシーンを省略したその意図は、
ちょっと理解しがたいものがありました。
まぁ、服を脱ぐというシーンはそれなりに作動画の神経を使う所であるため、
メンドクサイから手を抜いただけなんでしょうけど。
うーん。勿体無い。


演出的にはごくごく平凡なものであり、見るべき点はさほどなし。
重要な「脱がし」のシーンを省くという最大の失敗を犯していたものの
プレイ内容が作品のテーマをこれ以上なく合っていたこと、
また作画による女体の熟れ具合が見事だったことで
それなりに魅力的に仕上がった、そんな作品でした。


■ 他に気づいた点

・ほつれ毛がなかなか良い感じ。行為中の熱気、乱れ具合が伝わってくる。

・セックスの前半、整えられていた髪形が、後半では崩れてしまうというのも魅力的。
　いかに快楽に没頭しているかが伝わってくるし、乱れた髪がまたセクシー。

・せっかく女性が二人いるのに、肉体にさほど差別化が計られていないのがちょっと疑問。
　多少、胸の大きさが違うような気がするけど、あんまり大差ない感じ。
　香菜子：美乳、幸恵：美巨乳な感じにして、サイズの違いを堪能したかったかも。
・チンポの起ち具合を演出に使うというのはまぁアリだとは思うけど、
　「どうだ！」と言わんばかりに画面いっぱいに出すってどうよｗ。　



＜気に入ったカット＞（クリックで拡大・コメント付き）

・香菜子


・幸恵