屑男のエロスクラップ

2006年あたりからパピポでちらほらと見かけるようになった新人作家『諏訪クニミツ』さん。
魅力的な肉体を描く作家さんでかなり注目していたのですが、
パピポが潰れて以降、全く見かけることがなくなってしまいました……。
このまま埋没させてしまうにはあまりにも惜しい人材です。


＜あらすじ＞

気の強い姉・晶と無邪気な妹・ユカはお互いを愛し合うレズ関係。
と言っても、晶は女性オンリーなのに対し、ユカは両刀使いの為リクという彼氏を持っていた。
しかしこのリクという人物、かなりの曲者。
二人の微妙な関係を見抜いたリクは、
自らの身体でリクを奉仕し、自分の欲望を抑えなければユカを抱くと晶を脅迫する。
自分の愛するユカがこんな卑劣漢に抱かれることに耐えられない晶は
ユカに隠れて、言われるがままにリクの肉棒に奉仕するのだが、
コンプレックスである陥没乳首を徹底的に貶され嘲笑された上で
パイズリで集中的に刺激されたり
乳首をテープ一本で隠しただけのバスト丸出し状態で屋外を歩かされたりなど
リクのサディスティックな行為に翻弄されるうちに、
自分のマゾヒスティックな性癖に気づかされ、
一方的に逝かされてしまうのであった。

……以上で２話分。
これから……という所で、掲載していた「パピポ」が廃刊になってしまいました……。



＜感想＞

この作家さん、絵柄自体はそれほど上手いとは言えないのですが、
とにかく女性の肉感的な体つきが独特で色っぽい。
若干弛み気味の身体を好んで描くのですが、その弛み具合が絶妙なのです。
年増っぽい弛みではなく、若さを保った豊満さというか、張りを保った柔らかさというか。
描線自体洗練されたものではなく、非常に荒っぽく不安定なのですが、
それが又、不定形の身体のラインを上手く表現している感じです。

特に胸の表現がすばらしい。
縦に横に形を変える乳房や乳輪、陥没乳首を美しく描くのではなく、
このページ上部に載せたような扉絵でもわかるように
見方によってはグロテスクに感じるくらい形を崩して
そこにリアルなエロティックを表現しています。
グロテスクとエロティックを共存させる画風はかなり独特のものではないかと。



この作品においては晶のキャラクターもかなり好みでした。
一見気が強そうにみえるも、いざ行為に及ぶと思わずマゾっ気が出してしまう晶。
その弱みを見せまい、感じまいと表情を抑え必死に堪えようとするも
リクの手馴れたテクニックに陥落しなすがままの人形状態になってしまう、そのギャップ。
また、感情を高ぶらせること無く晶の肢体を嘲笑し
ひたすら冷酷に追い詰め犯していくプレイ内容も
そのざっくりとした乾いた描線・画風と相まって、
愛のない乾いたセックスの被虐感をより一層高める効果となっています。




こんな魅力的な作品を描く諏訪クニミツさんが
このまま埋もれてしまうのは勿体無さ過ぎます。
又どこかで活動を再開し、この作品の続きを描いてくれることを期待します。


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09.03.27 追記
COMIC RIN 2009年4月号 にて見事復活していました！
ロリ系エロマンガ主体のRINの中では異色の母親凌辱漫画。
諏訪さんならではの若干ふくよかな肉体描写、匂い立つような女の色香、
昏いまでに冷徹な凌辱っぷり、堕ちっぷりも健在でまずはひと安心。
ただ、先月号の予告に名前が載っていたという記憶はないので
誰か他の作家が原稿を落とし、今回だけ穴埋め原稿が載っただけという可能性が高いですが、
(雑誌の編集方針と諏訪さんの作風はあまりにも違いすぎるし……)
これを機に本格的に活動再開して欲しいものです。
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