屑男のエロスクラップ

＜評価＞　内容：☆☆☆★★　　挿絵：☆☆☆☆☆　　抜き：☆☆☆★★

熟れ頃の若い未亡人と木静絵柄の食い合わせは絶品だが、
肝心のストーリーがあまりにもオーソドックス過ぎて読み応えがない　感想を読む >>


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＜あらすじ＞

（あなた赦して……弱い私を、どうか、赦して……）

夫の葬儀が終わった直後に突きつけられる愛人契約。
義兄に肉の関係を迫られた未亡人・美鈴は、
娘を守るために自らの熟れた身体を差し出す。
淫戯と鍼で性欲を刺激され心身ともに抗えなくなると、
娘までもを肉欲の餌食にされてしまう！


＜本文の感想＞

若くして夫を失った美鈴は、今後の生活の保障と病弱な一人娘美雪の医療費をだしに
夫の腹違いの兄弟であるブロドッグ顔の中年男、光司郎に抱かれてしまう。
光司郎はなじみの鍼灸師、須山と共謀し、美鈴を常に男を求める身体にしてしまう。
そして頃合を見計らい、美雪をもその鍼の虜にし、その処女を頂くのだった……というお話。

超ありがちありきたりな未亡人調教モノ。
話の展開的にもプレイ内容的にも目新しい点は全くなく、
終始、想像通りに事が進み、想像通りに決着する話。
意外性や斬新さなど欠片も無い作品です。

ストーリーがオーソドックスならば、
後残るは描写力勝負となる筈なのですが、それもいたって普通。
まぁ、悪くはないとは思うのですが、これと言って何か特長があるわけでもありません。
シーンの描写や官能表現が濃密なわけでも執拗なわけでもなく、
未亡人ならではの匂い立つような熟れた身体がことさら丁寧に描かれているわけでもなし。
夫の目の前で犯される背徳感、中年男に抱かれる抵抗感嫌悪感など
それなりには描いてはいるのですが、ありきたりなレベルで、
この位の描写ならそこら中に転がっているなぁと思ってしまう程度。
ならば、未亡人の娘、病弱な少女の方に焦点が当てられているのかと思いきや、
別にそんな事はなく、うぶな反応や未成熟で固い身体の描写もまぁ普通。

一応、鍼を使ったプレイが多く、
そこら辺に物語の力点が置かれていると言えば置かれているのかもしれません。
ただ親子二人を堕とすのに、色々もったいぶりはしますが、
なんだかんだで結局鍼を使って身体の感度を上げて、犯すだけ。
安直で安っぽい印象。

膣内挿入に関してはやたらめったら使わず、
美鈴が初めて身体を許すシーン完全陥落するシーン、美雪の処女喪失シーン等、
ここぞというシーンのラストにだけ持ってきています。
一応、使いどころを考えてはいるかなとは思ったのですが、
そういう配慮がされている割には、挿入までの焦らしの描写が弱く、
いつ入れるんだ？というようなワクワクする期待感はあまり感じられません。

途中、光司郎の興味が自分から娘に移っているのを薄々感じた美鈴が、
美雪に対して嫉妬に近い感情を持ち始めるという展開になり、
もしかしたらそこら辺の感情の変遷、親子の歪んだ愛憎劇がこの作品の主題なのかなと
多少期待したのですが、まぁそんなことはなく、結局中途半端な描写でオシマイ。

唯一、ちょっと面白いと感じたのはラスト、親子が69の体勢でそれぞれ犯される時、
処女を喪失したばかりの美雪のお腹に聴診器を当て、
光司郎の肉棒が出入りする淫らな音を聞くプレイ。
ただ、これもプレイ自体は面白かったのですが、
肝心の描写に関しては大して力点が置かれず。なので興奮するまでには至らず。

リアルドリーム文庫が、オーソドックスで保守的なレーベルだという事は分かってはいるのですが、
それにしてもあまりに普通すぎやしないかいと感じた作品でした。
ただ、逆に言えば、ここが酷い！というような明確な欠点もなかったんで、
何かしらの特色、こだわりさえ感じられればそれなりに高評価になったんじゃないかなぁと。



＜挿絵の感想＞



この作品も他のエロライトノベルズと同じように、挿絵買い。
木静さんの描く、ちょっと下品な位の肉表現、それでもそこに色香を感じさせる女体は
こういった若い未亡人というような設定にとても食い合わせが良く、
惚れ惚れと見入ってしまいます。

汗や体液などで「場の湿度」まで感じさせ、その情景をよりエロティックに表現する
その描写力、テクニックも凄いです。

また、描かれている表情もいいんですよねぇ。

潤んだ瞳、湿気を含み重くなって乱れる髪、
舌・歯などの細部まで艶やかに描かれた開かれた口内
肉棒を擦り付けられ歪んだ頬の肉表現や、完全に堕ちてしまった後の伸びきった鼻の下
丸見えで美しく主張する鼻孔の形等など、各カットの表情だけでも、かなりエロいです。
過剰なくらい下品に描いている割にはキャラクターの持っている上品さ美しさを失わない、
そのバランス感覚は、見事としか言いようがありません。


正直、この作品にこのイラストはちょっと勿体無かったなぁという印象。
イラストの魅力に文章が負けていてちょっと残念な作品でした。