屑男のエロスクラップ

＜評価＞　内容：☆☆☆★★　　作画：☆☆☆★★　　抜き：☆☆★★★

サバイバルムービーならではの緊張感がなく、
ストーリーから期待されるような、極限的状況での異常なエロシーンもなし


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＜スタッフ＞

レーベル：鈴木みら乃
原作：『姦染～淫欲の連鎖～』（原作：SPEED）
企画：姦三
プロデューサー：山本敏行
アニメーションプロデューサー：縦縞ゆうき
脚本：関町台風
絵コンテ：村上勉
キャラクターデザイン：きのはらひかる
演出：紫乃宮艶子
作画監督：服部憲知／穂時なか子
監督：横山ひろみ
アニメーション制作／製作／発売：鈴木みら乃
販売：株式会社アムモ



＜あらすじ＞

“鈴木みら乃”がゲームブランド・SPEEDとのコラボ作品を発表！
人気PCゲームを完全アニメ化した今作のテーマは、ズバリ“快楽感染”。
人気ゲームソフト「姦染」を完全アニメ化した今回のテーマはズバリ『快楽感染』。
OVAシリーズではゲーム内でも特に人気の高い『山岸優』『佐伯瞳』をクローズアップ！第1弾は山岸優編を発売!!

合宿中の映画研究部員に襲いかかる、謎のウィルス『UNKNOWN level4』。 それは、感染すると激しい淫欲に支配され、欲望のまま異性を襲うようになってしまうというものだった…。
次々とウィイルスに感染し、欲望のままに腰を動かす顧問や部員の面々。
同時に街中でも同様の事件が巻き起こっていた。ウィルスから逃れ、屋上に逃れ付いた山岸優を待ち受ける運命とは…。


＜感想＞

突如原因不明の淫乱ウイルスが流行し、大混乱した都市。
外部とは隔離された校内に取り残された教師と生徒数名のパニックを描いた作品。

今回の話は原作エロゲーで言うところの「山岸優ルート」を描いたもの。
次巻では、今作の冒頭からふたたび始めて「佐伯瞳ルート」を描く、という
いかにもエロゲー原作ものならではのパラレルな構成となっています。



■ サバイバルムービーの面白さが描けていない

設定を読む限りこの作品、典型的な「サバイバルムービー」だと思うのですが、
サバイバルムービーならではの面白さが感じられません。

サバイバルものの面白さって
「脱出・逃亡・捕獲」の繰り返しによる緊張と緩和だと思うんですよね。
感染者の魔の手から命からがら脱出、ようやく逃げ出すことに成功し、
一息ついたと思ったら、その背後からまた新たな感染者が！
という展開に、エロを絡めていくというのが基本的な作り方。
信頼していた仲間が次々と感染していく、そんな絶望的な状況でも必死に抵抗。
しかし最後、ついに力尽きて感染者の魔の手に捕らわれ、服を乱暴にはぎ取られ
ついに肉棒の侵入を許してしまう、その圧倒的な敗北感や無力感にゾクゾクしてしまうわけです。

ですが、今作は、謎のウイルスに感染した人が発情して、
周囲の人間を普通に犯して仲間を増やす。それだけ。緊張もなければ緩和もなし。

女教師・リサは、ストーリーの冒頭ですでに感染しているし、
生徒会長・瞳はあっという間に捕まり次のカットではもう感染しているし。
校内最後の非感染者であり今作のヒロイン・優だけは屋上まで逃げるものの
そこに大した緊張感はなく、ただただ走って階段を昇るだけ。
屋上であっさり捕まり普通に犯されてあっけなく感染。

途中、校外に出た女生徒朋美が、制服をズタボロにされ、
泣きながら月明かりの夜道をフラフラひとりで歩いているという
今作唯一と言っていいサバイバルものならではの魅力的なカットがあったのですが、
どうしてそうなったのかというシーンはなし。そここそ見たいのに……。
結局、感染者集団にあっけなくつかまり、普通に３Ｐで犯されてしまいましたとさ。



ゲームで言うところの、とにかく何でもいいからこのゲームをクリアしたい人が
エンディングまでの最短ルートをひたすら選んだような構成。
なので、そこに至る過程をすっ飛ばしてエロシーンだけ抽出したような、
サバイバルという舞台の旨味を全く生かしていない、味気ない印象を持ちました。



■ サバイバルエロの過激さもない

まぁ、エロシーンだけ抜き出した構成でもやりようによっては悪くないとは思います。
ただしその場合、エロシーンが良くできている事が大前提。

ですが、この作品の場合、どのエロシーンを見ても、「普通」なんですよね。

保健室で女教師と男子生徒がセックスしたり、
屋外で数人がかりで犯されたり、
ひそかに思いを寄せていた人と無理やり結ばれたり、
屋上でセックスしたりと、その状況は冷静に考えれば確かに特異なんですけど、
過剰に描くことが普通になっているエロアニメにとって
この程度の過激さは、さほど目新しいものはなく、正直見あきた印象。

淫乱ウイルスに感染し、精神が不安定になったのなら
もう少し、野獣のような荒々しい過激なセックスになりそうなものなのですが、それもない。
普通に、正常位や騎乗位、フェラ、後背位などを
平板な構図と崩れ気味の作画、メリハリのない動きで一通りこなすだけ。
見応えも迫力も全然ありません。

セリフ回しが妙に説明的だったり、隠語が変にくどかったりしていて、
もしかしたらそこら辺が、ウイルス感染者ならではのエロ表現だったのかも知れませんが、
「聖職者なのに、教え子の熱い精液中出しされてるぅぅ」とか
「処女膜破れたばっかりだから痛いぃ……でも気持ちいいぃぃ」とか
別にエロくないし、そもそもこういう特殊な言い回し、
エロアニメでは悲しいかな、普通になりつつあるし。

女教師が何故か突然母性的になったり、
潔癖主義だった生徒会長がいきなり性に積極的になったりしている事から
きっと、製作スタッフの狙いとしては、
感染者たちの精神錯乱セックスを見せたかったんだとは思いますが、
演出もプレイ内容も迫力不足。
ただの淫乱プレイとそう変わりませんでした。


次巻の紹介文を読むと、
女教師が自分の痴態を映画に記録し生徒たちに見せたり、
テレビの女子アナが生放送中に感染者に犯されたりと
なかなか異常で魅力的なシチュエーションがあるという事で、多少期待。
もしかしたら、サバイバル的な要素は次巻のため取ってあるのかも知れません。
にしてもこの出来はなぁ……。うーん。



■ その他、気づいた点

・原作ゲームの原画は結構好みだったが、
　アニメではエロアニメにありがちな安っぽいキャラクターデザインになってしまい残念。
・デブキャラ真也のいつも腹を抱えた立ちポーズに違和感。
　ゲームのキャラ設定を馬鹿正直にそのまま使わないで欲しい。
・優が屋上で犯される際のショーツの脱がし方が、なぜか妙に丁寧で浮きまくり。
　うーん。そこだけ丁寧に描かれてもなぁ。
・中出しフィニッシュカットを俯瞰ロングにしたり、校舎の遠景に切り替えたりと謎の演出。
・フェラだけは舌先で亀頭を責めたり、喉奥深く飲み込んだりと、まぁまぁ凝っている。
　最近のエロアニメってなぜかフェラだけは頑張っている印象あるけど、なんで？
　描きやすいのかな？　ピストンシーンももっと頑張ってほしいんだけどなぁ。
・監督名の表記がサイトでは「横山ひとみ」、ＥＤテロップでは「横山ひろみ」。
　本サイトではＥＤテロップ表記に倣うようにしていますが、本当はどっちだ？



＜気に入ったカット＞（クリックで拡大・コメント付き）

・フェロモン出しまくり女教師「リサ」


・ショートカット明朗活発少女「優」


・内気少女「朋美」と、黒髪ロング潔癖主義生徒会長「瞳」