屑男のエロスクラップ

＜評価＞　内容：☆☆☆☆★　　作画：☆☆☆★★　　抜き：☆☆★★★

アニメ的にアレンジされた演出には満足。作画のレベルが若干落ちたのが残念


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＜スタッフ＞

ブランド：Milky
原作：玄鉄絢（コアマガジン刊）
プロデューサー：村上幸太郎
監督：碧岐龍成
キャラクターデザイン・総作画監督：聖月
アニメーション制作：アマルコルド
製作・発売：少女セクト製作委員会
販売：株式会社GPミュージアムソフト



＜あらすじ＞

「もっと、私のこと見て欲しくて――」
美しくも儚い恋のストーリー、いよいよ完結！

同じ女子校に通う内藤桃子と藩田思信、さらには先生・先輩・級友、さまざまな女性たちが絡み合う、禁断の愛の物語。
教室・寮・ホテルさまざまな場所で、愛や嫉妬さまざまな気持ちが交錯する禁断の花園。
女を巡る女同士の恋のバトルは実るのか……果たして恋の行方は !?



＜感想＞

多感な年頃の少女たちが織り成す淡い恋模様を描いた作品の完結編。
今回は、学園を去ることになってしまう桃子に
思信の思いがようやく伝わり、永遠の誓いを結ぶまでが描かれています。

静謐なクラシックを大人しめに流しながら描かれる少女たちの学園生活は
相も変わらず、美しく可愛く演出されています。


また、原作のイメージを損なわずに
人物関係やストーリー展開を改変するその大胆な手法は
前回同様、実に鮮やかでした。

思信とまーやが反省房で身体を重ねるシーンでは、
原作にはなかった「口紅」というアイテムを効果的に用い、
まーやの桃子に対するちょっと複雑な感情や、思信に対する永遠の片思いの切なさを
より際立たせています。
また、桃子が思信にやきもちを焼くシーンも、
原作では教室内のひとコマという扱いだったのですが、
アニメでは、中庭で思信がチョコのお返しを後輩から貰う所を
校舎の二階の窓から桃子に俯瞰で見せるというシチュエーションに変えてあります。
手が届きそうで届かない、思いが伝わりそうで伝わらないもどかしさがより痛切に伝わってきます。

更には、ラストまで豪快に変えられていてちょっとビックリ。
原作では、引っ越したばかりのがらんとした部屋で思信が互いの思いを確かめあい
身体を合わせるといったエンドでした。
これからこの何もない部屋をゼロから作り上げるように二人の愛を育むんだ、という意思を感じる
ある意味、明快で明るいハッピーエンド。
ところがアニメでは、
転校していった桃子の机と椅子を屋上に上げ、そこに座って「桃子に逢いに行くんだ」と語る思信に
暖かくかつ切なげにキスをし、涙を流すまーやでエンドロールという
ちょっとほんのりとしたラストに変えられていました。
これはこれで、いかにも少女たちの淡い恋の一ステージが終わり、
複雑な思いを胸に、また次のステージへという感じの後味のいい余韻が残ります。
桃子と思信の行く末だけでなく、
原作では描かれなかったまーやの宙ぶらりんの感情までも上手く組み入れた、
なにかある種の愛しさを感じる印象的なラストシーンでした。


しかし、演出面では殆ど問題のなかった作品でしたが、作画は正直下落の一方。
１＞２＞３と確実にレベルダウンしていました。
カットごとに表情がふらふらしたり、角度によっては全然別人に見えたり。
やはり売れなかったから予算が削られたのでしょうか？

また、エロシーンですが、まぁ１巻２巻同様綺麗に纏めてはあります。
とはいえ、全体的に特徴がなく無難な印象。
なんというか、一巻二巻の焼き直しのようなエロシーンばかりで、こちらも減点。

ただ唯一、大神先輩に桃子をネタに脅迫され、数学準備室で
思信が全裸で四つんばいになるシーンだけはかなり興奮しました。
今まで常にわが道を貫いて生きてきた思信が自ら折れ、
学校内で自分の嫌悪する相手の目の前で裸になり、なおかつ四つんばい。
非日常的シチュエーション、かつ完全に無防備な姿で
思信の不安感や屈辱感、痛々しさがこれ以上なく痛切に伝わってきます。
　

この後、凌辱が始まるようであれば、興奮度もＭＡＸになったのでしょうが、
まぁそこは「少女セクト」。
身体を重ね、大神先輩の性器に指を入れさせられる程度で終わってしまいました。
そりゃ、分かってはいたけどね……。


ストーリーに関しては充分堪能したものの、作画がちょっと残念な出来。
また、エロシーンに関しても、美しい綺麗なエロを目指すのは分かるけど、
一二巻に比べてちょっと新鮮味が足りなかったかなと感じた最終巻でした。


他、ちょっと気になった点。
……幼少時、思信と桃子二人の出会いを、ようやく桃子が思い出すのが
第三者（麒麟）から電話で教えられてってのはどうかと。
そこって二人に絆の深さを示すキーポイントのような……。




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